文系大学院生の記録(民間・公務員就活、院試、研究)

旧帝大学院出身。文系大学院生として経験したこと、特に就職活動や大学院入試など、今後の進路に悩む方々にとって有意義な情報を発信していきたいです。

就職活動において「文系大学院進学」とは有利か、不利か。

こんにちは、まなせです。

 

筆不精な性格が災いして、ブログ開設後1週間ほどそのままになってしまっておりました(苦笑)

 

こんな感じでマイペースですが、ちょっとずつ更新できればなと思います。

 

さて、1月も折り返しを過ぎたこの頃。昨日こんなニュースが目に飛び込んで来ました。

 

news.yahoo.co.jp

 

「大卒内定率86%、7年連続上昇」とのこと。

 

詳しい経済の動向は抜きにして、一般レベルで景気の良さを実感できる大きな指標のうちの1つがこの「大卒内定率」ですね。

 

簡単に言うと、近年は「景気良いし新卒採用バンバン行っていきましょうね〜」という企業の動きが見て取れます。就活を控えた学生はラッキーですね。この機械を逃す手はありません。

 

昨年はトランプ氏の大統領就任やイギリスEU離脱の影響などで、景気が冷え込むかも、なんて見方もありました(一時期ネットで「2018卒は災難だな」なんて意見もチラホラ)。

が、結果としては日本の就活事情は上向いていきましたね。

 

リーマンショック(2008)や東日本大震災(2011)といった、未曾有の経済恐慌や大災害が起こらない限り、こうした状況はあと数年は続くのではないでしょうか。

 

しかし逆に言えば、この状況が続いているうちに駆け込み的に就活は終えておくべきというのが個人的な意見です。

私も就職活動を行いましたが、周りの就活生と話をしていても、早期から内定を持っていた方がなんとなく多い印象でした。個人の能力や企業の方針にも依るところはあるでしょうが、全体として企業が新卒を積極的に採用しようとしている雰囲気は感じました。

 

2019年卒の就職活動事情も、恐らくはこうした積極採用の流れを汲むものと思われます。これを好機と捉えて、就職活動に臨んでほしいものです。

 

さて、そんな就活事情の最中、進路選択に悩まれる方も多いことかと思います。

大学院進学はその1つでしょう。私も就職か、院進学かで悩んだ口です。

 

注:ここから先の話は、基本的には文系大学院の話であると理解してください。

 

まず、大学院進学に関して一つ言えることは、就職するのが面倒だからとか、モラトリアムを延長したいとか、そういった動機で院進学をするのはやめておいたほうがいいということです。

 

というのも、やはり大学院というのは研究をする場ですので、授業に出ておけばそれでいいというわけではありません。過去の論文を取りまとめるだけではなく、それらを用いて新しい発見や学術的な貢献を行っていくという場です。また、大学時代に比して文献を読み込む時間も相当多くなりますし、研究を発表する機会も増えます。

 

そういった場である以上、不純な動機をもって受験しにきた学生を弾くことは、研究のプロである教授にとっては容易いことです。受験の段階で不合格になることも多いですし、仮に合格したとしても研究についていけない、研究に身が入らないという事態も想定できます。

 

そして何よりも、研究と就職活動を並行しなければならない、という問題があります。

修士論文はそれ相応のクオリティが求められます。研究室によっては、就職活動という事情を全く考慮してもらえず、論文審査でも容赦ないというところもあるでしょう。

大学院生はそれなりに忙しかったりします。下手に院進学するよりも、時間に余裕のある大学時代に就活を終えるほうが良いかもしれません。

 

院進学に関して、もう少しポジティブな動機の方もいらっしゃると思います。例えば、大学院に進学して就職を有利にしようという考えの方もいらっしゃるでしょう。いわゆる学歴ロンダリングなどがこれにあたります。

 

就活において、院進学という戦略はどういった効果が望めるのか。

例えば、東京大学大学院に進学したとすると、就職活動市場では東京大学卒とほぼ同じ扱い(東大生扱い)になります。また、大学時代に頑張って東大院に合格したという絶対的な強みがありますから、エントリーシートの書きやすさや構成のしやすさは段違いになります。

また、大学院では研究活動にしっかり取り組めば、英語能力や論理的に物事を考える力、プレゼンテーション能力などが格段に磨かれます。学部卒の他の就活生との差別化を図る上でも、大学院での経験は結構社会でも通用します

 

少し邪な動機ではありますが、戦略としては意外と行けるというのが個人的な考えです。

 

但しこの戦略は、「大学受験基準で、より偏差値の高い大学の大学院」に行ってこそ最大限の効果が発揮できると考えていいでしょう(またもや邪な考え方ですが...)。

 

具体的に言いましょう。東京一工や旧帝国大学早慶などのレベルの大学院に行くことをお勧めします。理由は簡単で、就活市場でこれらの大学に対する評価が高いからです。そういった土俵で戦う以上、就活で院進学という戦略を使う以上、大学院の名前にはこだわるべきです。

 

例えば、明治大学早稲田大学大学院

    北海道大学東京大学大学院

といったキャリアパスがわかりやすいかなと。

 

逆に、京都大学神戸大学大学院

   慶應義塾大学日本大学大学院

   広島大学広島大学大学院

といったキャリアパスは、就活においてはお勧めしません。

 

誤解のないように併記しておきますが、研究の世界では大学受験のような偏差値偏向のランク付けは意味を成しません。

もちろん、研究費や補助金の額の多さ、研究レベルの高さなど、ある程度共通するところはある(東大、京大etc...)かと思いますが、基本的にはどういった教授がいらっしゃるか、どんな研究を行っている研究室なのかに注目すべきですね。

 

さて、色々と話が膨らみましたが、結論すると、戦略的に動けば院進学も就活においては有利に働く場面もあるというところです。

 

しかしながら、ここ数年の就職事情を見るに、普通に大学卒で確実に就活を終えた方がいいのではないかと思います。

数字の差はあるにせよ、東大や京大ばかり採用している企業はごく稀です。国立や私立問わず、幅広い大学から採用を行っている企業がほとんどです。わざわざ学歴ロンダリングを行わなくとも、大学時代に頑張ってきたことをしっかりとアピールして臨めばよいのです。

 

また、企業は思ったほど文系大学院生に対する認識がないという問題もあります。普通の学生よりも年齢は高いですし、どういう実態なのかも認知されていないというのが現状です。学部生とは違うということや、研究で培った知識や能力をしっかりアピールできないと、逆にマイナス評価になるという可能性もあります。

 

ですから、将来の就活を見越して文系大学院に進学しようとされる方は、

・今いる大学よりも偏差値が高いとされる大学の大学院に行くのがベター

・進学先の大学院でしっかりと研究に取り組むべし

・大学院で具体的にやりたい研究があればなおよし

・大学院生活での成果を就活や社会にどう還元できるかという視野を持つ

こうした意識を持つと、就職活動もいい方向に進むのではないでしょうか。

 

もっと欲を言えば、2年は研究に打ち込み、あとの1年で就活に打ち込む3年プランがベストですね。

一般的には修士課程は2年ですので、論文も就活もその枠の中でこなすのが普通です。

しかし、例えば奨学金や成績優秀者・特待生、経済的事情による学費免除など、利用出来る手段はしっかり利用して、経済的負担を極力抑えながら3年在学(戦略的留年とでも言いましょうか)して就活を行うのも戦略です。

 

色々と書きましたが、大学院で研究をもっと深めたいとか、そういった志を持っている人は是非進学して欲しいというのが個人的な意見です。

 

就職に有利不利とか、色々とあると思いますが、たった一回きりの人生、悔いのない選択をして欲しいものです。

 

私も悩んだ末に大学院に進学しましたが、やりたい研究を先生のもとでしっかり行うことができ、そうした経験や知識を就職活動でもフルに活かすことができました。

 

最終的にボヤッとした感想になって申し訳御座いませんが、結局のところ成功するかしないかはその人次第ということです。

大学卒でも大学院卒でも、ちゃんと自分をアピールして、これまでの経験や知識をしっかり活用していくということができれば、道は開かれるはずです。